アカデミック事業部の創立にあたって

井ノ原 裕紀子 先生

井ノ原 裕紀子

アカデミック事業部 部長

就任の挨拶

 アカデミック事業部・部長に就任いたしました井ノ原裕紀子です。
 神戸生まれの神戸育ち、リンパ浮腫トータルケアサロン【Her’s】代表・理学療法士/リンパ浮腫療法士であり、3人の母親でもあります。
 神戸大学医療技術短期大学部理学療法学科を卒業後、一度も臨床に出ることなく実家の営む会社に就職、十余年のブランクを経て「遅れてきた新人」として臨床へ、そのデビューは起業、という異色の経歴の持ち主です。Her’sはお蔭様で2015年に創業10周年を迎え、紆余曲折を経た半生もすべては今に繋がっていることを深く納得し、「人生にはひとつの無駄もない」ことをひしひしと実感しております。
 これまで、何事にもずっと、ほとんど1人で向き合い・取り組んで参りましたので、このたび EPoch に迎え入れていただき、「仲間とともに仕事をする」ことを経験するにあたり、周囲のサポートを得ながら、自身の得意分野に特化して注力・奔走できることの幸せを早速噛み締めております。持ち得る最大限の能力を発揮することを胆に銘じ、これから精進して参ります。何卒よろしくお願い申し上げます。

事業部について

 本事業部の「アカデミック」というキーワードに込められた思いは、ずばり「正統派」。
 理学療法士免許取得者数の激増に伴い、職域拡大が叫ばれて久しい我々の業界において、各方面へ活路を見出し、法の遵守を前提に誠実に発展に向かおうとする療法士たちの活躍の一方で、法律や社会情勢などの必要不可欠な情報に明るくないまま、ただ風潮に流されて見切り発車的に起業へと舵を切ろうとする危うい療法士たちの増加も後を絶ちません。
 また、会員数の増加により協会との距離感が無意識のうちに大きくなり、保険下/自費の別に限らず一丸となって盛り上げていくべき業界の将来が、力の分散という形で危険に晒されていることも見過ごせない現実です。
 そのような状況を重く受止め、我々が国から免許された資格の意義を今一度見つめ直し、適正な社会貢献に尽くせるように、学術面をはじめとし、あらゆる方向から業界の明るい未来を目指して支えていこうという理念のもと、本事業部は発足いたしました。これから、あっと驚くアイディア満載の斬新な切り口で、業界の発展に尽くして参る所存です。

今後の抱負

 起業後、数年は「引きこもりPT」を自称し、自らを業界の異端児と名乗り、協会や同業者たちと一線を画して参りましたが(俗に言う「斜に構える」といった心境でした)、自身の稀有かつ微妙な立ち位置を再考する機会を得た際、理学療法士の名を拝して業務に従事するからには、その足場は理学療法業界に据えるべき、との結論に至り、思い切って業界のど真ん中に飛び込みました。異端児を自負していたほどですから、周囲に敵視されることは覚悟の上でした。
 ところが、珍しい業態ゆえに興味や関心を持たれることこそあっても、誰ひとり敵対心を露にする方などなく、むしろ職域拡大の魁として非常に敬意を払ってくださり、それはあたたかく迎え入れてくださったのです。正直、自身の度量の狭さを恥じました。
 それを機に、協会の活動には殊更に積極的に参加するようになり、少なくとも「魁」として注目を集める立場にいる以上、後進に誤った背中は見せられないと、行動には一層慎重を期するようになりました。
 いま、我々が理学療法士として仕事ができるのは、他でもない先人のご功績のお蔭です。仮に、理学療法士を名乗らない働き方をしていたとしても、その基盤となるものには理学療法士になるために学んできた数々の経験が横たわっているからに他なりません。
 わたしの口癖に「テメェ1人で大きくなったと思うな!」というのがあります。子育てにおいて最も頻出する文句ではありますが、社会に生きる・生かされる1人の人間としても、その思いは同様です。
 歴史を尊び、後に続く者に正しくそれを引き継いでいく責任の自覚を促すことを念頭に、今後【正統派】を胆に銘じ、真っ直ぐに前を向いて進んで参ります。
 皆さまのご理解とご協力を心よりお願い申し上げます。